クライオセラピーの効果と仕組み
冷却療法
クライオセラピー(cryotherapy)とは、冷やすという言葉のcryoと療法のtherapyの二つの言葉からできた言葉で、日本語に直訳すると「冷却療法」になります。
冷やす療法というと、多くの方がイメージするのは湿布かもしれませんが、その他にも、単純な氷や氷水で冷やしたり、様々な冷却材が使ったり、スポーツ選手などが利用しているクライオサウナやクライオシャワーなどのマシーンもあります。
二次的低酸素障害を防ぐ
クライオセラピーは、傷めたり、酷使しすぎたりして炎症を起こしている患部を、様々な方法で冷やすことによって、その炎症熱を下げ、痛みを緩和していきます。熱を持った患部は冷やされることによって体温が低下し、代謝レベルが落ちます。 代謝レベルが落ちると、細胞が不活性化し、酸素や栄養分の消費量が減ります。 細胞が必要とする酸素・栄養分の絶対量を減ることによって二次的低酸素障害を最小限に抑えこむことができるようになります。
二次的低酸素障害とは、損傷した細胞を消化するための酵素が活性化されて、正常な細胞まで消化してしまったり、炎症反応による出血などによって周辺組織が低酸素状態となり、正常な細胞までが壊死してしまうことを言います。 このため次の日に患部が大きく腫れたりするわけです。 しかし、きちんとアイシングすることで細胞が不活性化させ、この二次的低酸素障害を大幅に軽減させることができるのです。 さらに、クライオセラピーの効果には冷却麻酔効果による痛みの軽減や、リバウンド効果と呼ばれる冷えた患部の体温を上げようとする体のメカニズムにより、疼痛を発生させる物質を吸収して洗い流す効果なども期待できます。
冷却時間と方法
冷却時間はどのくらいが良いのかということに関しては、実は諸説あります。 一般的には15分から20分程度が良いと言われています。冷却方法については、病院・接骨院などで行う場合は、冷却治療器、アイスパック、アイシングマッサージなどを使用します。自宅で行う場合は、ビニール袋に氷を入れて患部を冷やしたり、保冷剤などで冷やしたりするのが簡単です。
また、スポーツ選手などが使用することが多いクライオサウナは、液体窒素を利用して、-120℃~-196℃程度の超低温状態になったキャビン内に入って身体全体を急速に冷やします。 クライオサウナの中に入っている時間は、2~3分間程度です。 なお、心臓や高血圧、脳の血管に疾患がある場合は使用を控えたほうが良いでしょう。